支援学級では「内申点がつかない」ことが多く、高校受験の大きな壁になります。
でも、仕組みを知っておけば道はあります。
自閉症・情緒障害学級は、制度上学年相当の教育課程で学ぶことになっています。しかし実際には、知的障害学級と合同で生活単元や作業学習が行われ、学年相当の授業が十分にされていない学校が全国に多くあります。
その結果、情緒級なのに内申点がつかないケースが発生し、「進学を諦めるか、支援を諦めるか」という二択を迫られる、という保護者からの声がありました。
支援学級(特に知的障害学級)では、通常学級とは異なる「特別の教育課程」で学ぶことが多く、通常の定期テストを受けないため、調査書(内申書)の評定欄が斜線(ー)や空白になります。これは特定の地域だけでなく、全国的な傾向です。
知的障害学級→ 独自カリキュラムのため、内申点がつかないケースが多い。
自閉症・情緒障害学級→ 通常学級と同じ教育課程で学び、交流学級で定期テストを受けている場合は、内申点がつくこともあります。
情緒障害学級で通常学級と同じ定期テストを受けている場合や、交流学級で授業を受けている教科がある場合、学校と相談して内申点が反映されるケースもあります。ただし対応は学校・自治体ごとに異なります。
チャレンジスクール(東京)、クリエイティブスクール(神奈川)、エンパワメントスクール(大阪)などは、内申点を選考に使わない、もしくは配慮がある高校です。
全日制高校の受験では、支援学級の成績を通常学級に換算した推定値を赤字で記入して提出できる場合があります(埼玉県など)。学校との相談次第ですが、進路の選択肢を広げる手段の一つです。
埼玉県では令和8年度の中3から入試制度が大きく変更されます。調査書から欠席数が消える、自己アピールを自分で書く、全校面接必須などの変更が予定されています。お住まいの都道府県の最新情報を必ず確認しましょう。
受けられます。東京都立のチャレンジスクールは、学力検査(筆記試験)も調査書(内申書)も使わずに選考する高校です。中学校で不登校を経験した生徒や、自分のペースで学び直したい生徒のためにつくられた三部制(午前・午後・夜間)の定時制で、内申点は選考に一切影響しません。
支援学級で「特別の教育課程」で学び、通常の定期テストや5段階評定を受けていない場合、調査書(内申書)の評定欄が斜線(ー)や空欄になります。これは「成績が悪い」という意味ではなく、通常学級と同じ基準の評定をつけていないことを示すものです。
斜線・空欄があると、内申点で合否を決める全日制の一般入試では不利になりやすい一方、内申を使わないチャレンジスクールや、私立のオープン受験なら影響しません。「評定がつかない=進路がない」ではないことを、まず知っておいてください。
オープン受験(オープン入試)は、内申点を選考に使わず、当日の入学試験の点数だけで合否を判定する方式です。内申がつかない・斜線という生徒でも、当日の力で勝負できます。
特別選抜(特別入試)は、学校によって呼び方も中身も異なりますが、発達や学びに配慮が必要な生徒向けに、面接重視・別室受験・出題への配慮などを設けている私立高校の入試を指すことが多いです。実施の有無や条件は学校ごとに大きく違うので、気になる私立高校には個別相談会で直接「内申がつかないが受験できるか」「配慮はあるか」を確認するのが確実です。
この記事を読んでくれている方の中に、これから中学進学を控えるお子さんの保護者がいるなら、以下を事前に確認してほしい。
お住まいの地域では、情緒級在籍で内申点がつくのか教育委員会に直接確認することをおすすめする。「つきます」「つきません」ではなく、「どのような条件でつくのか」まで聞くことが大切だ。
中学校の見学や説明会で、「情緒級ではどの教科をどのように指導していますか」と具体的に聞いてほしい。「知的級と合同です」という回答が返ってきた場合は、教科ごとの詳細を確認したほうがいい。
内申点の基礎となる定期テスト。情緒級の生徒が通常のテストを受けられるかどうかは、学校によって対応が分かれる。
公立の全日制だけでなく、定時制、通信制、チャレンジスクール(東京都の場合)、私立高校の特別選抜など、内申点に依存しない進路も存在する。早い段階から情報を集めておくことが、選択肢を広げる。