📋 知っておきたいこと

支援学級の
内申点のこと

支援学級では「内申点がつかない」ことが多く、高校受験の大きな壁になります。
でも、仕組みを知っておけば道はあります。

❗ 中学に入ってから知る「情緒級の注意点」

自閉症・情緒障害学級は、制度上学年相当の教育課程で学ぶことになっています。しかし実際には、知的障害学級と合同で生活単元や作業学習が行われ、学年相当の授業が十分にされていない学校が全国に多くあります。

その結果、情緒級なのに内申点がつかないケースが発生し、「進学を諦めるか、支援を諦めるか」という二択を迫られる、という保護者からの声がありました。

💡 小学校のうちにできること
中学の支援学級を見学する際、「情緒級の教育課程は通常学級と同じですか?」「定期テストは受けられますか?」「内申点はつきますか?」を必ず確認してください。対応は学校・自治体によって大きく異なります。

内申点の基本的なしくみ

📌 なぜ内申点がつかないの?

支援学級(特に知的障害学級)では、通常学級とは異なる「特別の教育課程」で学ぶことが多く、通常の定期テストを受けないため、調査書(内申書)の評定欄が斜線(ー)や空白になります。これは特定の地域だけでなく、全国的な傾向です。

🔍 学級の種類で違う

知的障害学級→ 独自カリキュラムのため、内申点がつかないケースが多い。
自閉症・情緒障害学級→ 通常学級と同じ教育課程で学び、交流学級で定期テストを受けている場合は、内申点がつくこともあります。

✅ 内申点がつく場合もある

情緒障害学級で通常学級と同じ定期テストを受けている場合や、交流学級で授業を受けている教科がある場合、学校と相談して内申点が反映されるケースもあります。ただし対応は学校・自治体ごとに異なります。

内申点がなくても進む方法

🎓 内申点がなくても受験できる学校がある

チャレンジスクール(東京)、クリエイティブスクール(神奈川)、エンパワメントスクール(大阪)などは、内申点を選考に使わない、もしくは配慮がある高校です。

📖 詳しくは → 高校の選択肢を見る

📝 「赤字の調査書」という方法もある

全日制高校の受験では、支援学級の成績を通常学級に換算した推定値を赤字で記入して提出できる場合があります(埼玉県など)。学校との相談次第ですが、進路の選択肢を広げる手段の一つです。

⚠️ 入試制度の変更に注意(埼玉県の例)

埼玉県では令和8年度の中3から入試制度が大きく変更されます。調査書から欠席数が消える、自己アピールを自分で書く、全校面接必須などの変更が予定されています。お住まいの都道府県の最新情報を必ず確認しましょう。

内申点まわりの「よくある質問」

Q. 内申点がない場合、都立高校は受けられないの?

受けられます。東京都立のチャレンジスクールは、学力検査(筆記試験)も調査書(内申書)も使わずに選考する高校です。中学校で不登校を経験した生徒や、自分のペースで学び直したい生徒のためにつくられた三部制(午前・午後・夜間)の定時制で、内申点は選考に一切影響しません

💡 選考の仕組み(作文と面接の比重)
チャレンジスクールの選考は、主に①志願申告書(志望理由や自分の思いを書く書類)②作文 ③面接で行われます。学力テストがない代わりに、「なぜこの学校で学びたいか」「これからどうしたいか」を自分の言葉で伝えられるかが見られます。作文と面接の比重が大きいので、早めに書く練習・話す練習をしておくと安心です。配点や実施方法は学校・年度で異なるため、志望校の募集要項で最新の内容を必ず確認してください。

Q. 調査書の「斜線(ー)」「空欄」ってどういう意味?

支援学級で「特別の教育課程」で学び、通常の定期テストや5段階評定を受けていない場合、調査書(内申書)の評定欄が斜線(ー)や空欄になります。これは「成績が悪い」という意味ではなく、通常学級と同じ基準の評定をつけていないことを示すものです。

斜線・空欄があると、内申点で合否を決める全日制の一般入試では不利になりやすい一方、内申を使わないチャレンジスクールや、私立のオープン受験なら影響しません。「評定がつかない=進路がない」ではないことを、まず知っておいてください。

Q. 私立高校の「特別選抜」「オープン受験」ってなに?

オープン受験(オープン入試)は、内申点を選考に使わず、当日の入学試験の点数だけで合否を判定する方式です。内申がつかない・斜線という生徒でも、当日の力で勝負できます。

特別選抜(特別入試)は、学校によって呼び方も中身も異なりますが、発達や学びに配慮が必要な生徒向けに、面接重視・別室受験・出題への配慮などを設けている私立高校の入試を指すことが多いです。実施の有無や条件は学校ごとに大きく違うので、気になる私立高校には個別相談会で直接「内申がつかないが受験できるか」「配慮はあるか」を確認するのが確実です。

📖 あわせて → 高校の選択肢をもっと見る

中学進学前に、確認してほしいこと

この記事を読んでくれている方の中に、これから中学進学を控えるお子さんの保護者がいるなら、以下を事前に確認してほしい。

1

内申点がつくのか、教育委員会に直接確認する

お住まいの地域では、情緒級在籍で内申点がつくのか教育委員会に直接確認することをおすすめする。「つきます」「つきません」ではなく、「どのような条件でつくのか」まで聞くことが大切だ。

2

情緒級で学年相当の授業が実施されているか

中学校の見学や説明会で、「情緒級ではどの教科をどのように指導していますか」と具体的に聞いてほしい。「知的級と合同です」という回答が返ってきた場合は、教科ごとの詳細を確認したほうがいい。

3

定期テストを受けられるか

内申点の基礎となる定期テスト。情緒級の生徒が通常のテストを受けられるかどうかは、学校によって対応が分かれる。

4

高校受験の選択肢にはどんなものがあるか

公立の全日制だけでなく、定時制、通信制、チャレンジスクール(東京都の場合)、私立高校の特別選抜など、内申点に依存しない進路も存在する。早い段階から情報を集めておくことが、選択肢を広げる。

💡 早めの確認がカギです
内申点のつけ方は、同じ地域でも学校ごとに対応が違います。お子さんが中学に入ったら、できるだけ早く「支援学級に在籍した場合、内申点はどうなりますか?」と学校・教育委員会に確認しましょう。高校受験の選択肢を広げるための大切な一歩です。